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女性差別撤廃委員会が日本政府の対策遅れを批判、積極的な男女平等政策を求める

2009/07/24

7月23日、ニューヨークで、6年ぶりとなる国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の日本審査が行われました。国際条約にそって女性差別の撤廃を約束した日本政府が、この間、実際にどれだけ男女平等の実現に向けて努力をおこなってきたかが審査されます。国連のプレスリリースによると、国内NGOが指摘していたほとんどの問題が審査でとりあげられたようです。

日本政府代表の南野知恵子元法相は、国際的に見れば日本の男女平等のとりくみが送れていることは否定できないと率直に認め、ジェンダーステレオタイプの克服やワークライフバランスの実現には時間がかかるが、取り組んでいきたいと述べました。これに対し委員たちは、女性差別の定義を明確にし、女性差別撤廃条約の内容を日本の国内法に完全に取り入れることをはじめ、より具体的で積極的な取り組みが必要だと指摘しました。審査では、以下のような問題が指摘されました。

・女性差別の定義が欠けていること、間接差別の定義が不十分であること。
・差別的な民法規定が残っていること。
・CEDAWの規定が国内法において完全に法制化されていないこと。
・選択議定書の批准の必要性
・裁判官や公務員のジェンダートレーニングの必要
・日本軍「慰安婦」問題の真摯な解決
・女性蔑視的なポルノゲームの氾濫
・公人の女性差別発言
・男女共同参画機構や共同参画基本計画の効果
・性的搾取を目的とする人身売買や研修生問題
・婚姻内レイプ、児童に対する性的虐待、DV、性暴力、セクシュアルハラスメントなど、女性に対する暴力防止対策
・意思決定過程への女性参加
・学校における性教育
・男女賃金格差、女性の不安定雇用、同一価値労働同一賃金原則の確立、育児休業制度の整備など
・マイノリティ女性や移住女性の教育や雇用へのアクセス、支援策

日本政府への勧告は8月に発表される予定です。

●国連プレスリリース ●女性差別撤廃 日本の遅れ指摘(NHK) ●女性差別、日本の対策なお不十分 国連委が6年ぶり審議(共同) ●アジア女性資料センターのNGOレポート(女性に対する暴力)
・性暴力 ・ドメスティック・バイオレンス(DV) ・米軍基地周辺の性暴力
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