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小樽市、西東京市で「慰安婦」問題解決を求める意見書可決

2010/06/24

6月21日、北海道の小樽市議会と東京都の西東京市で「慰安婦」問題について政府の誠実な対応を求める意見書が採択されました。

小樽市議会 意見書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「慰安婦」問題について政府の誠実な対応を求める意見書

 かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、既に65年がたとうとしていますが、いまだに人々の戦争被害の傷はいやされていません。日本軍「慰安婦」問題は、その象徴的なものです。
2007(平成19)年7月にはアメリカ下院議会が「日本軍が女性を強制的に性奴隷にした」ことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議を採択しました。
そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU、フィリピン、韓国、台湾などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されています。
しかし日本政府は、これらの決議採択を受けても公式に謝罪をしていません。これは、1993(平成5)年の河野洋平内閣官房長官の談話と矛盾する態度です。
 日本政府が「慰安婦」の被害にあった女性たちに対して、いまだに公式の謝罪や補償もせず、真相究明をしていないばかりか、教科書からもその記述を消し去ろうとしていることに対して、世界各国で批判の声が高まっています。
 よって、国会及び政府においては、河野談話に基づき、「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め、下記の事項のとおり誠実に対応し、早期に解決するよう強く要望します。



1 1993(平成5)年の河野洋平内閣官房長官談話を弱めるような発言に対して政府は公的に反論し、河野談話をより具体的に発展・実現するような政策をとること。
2 中学・高校の歴史教科書に日本軍が行った慰安婦制度を載せ、次世代に歴史の事実を正しく伝え、人権・平和の大切さを教えること。
3 「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」を審議し、早期にこの法律を成立させ、公的責任を認め、調査・審査機関を作り、未公開資料を公開し、謝罪するとともに、過去の経過を踏まえた上で賠償責任を果たすこと。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成22年6月21日
小樽市議会

西東京市議会 意見書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「慰安婦」問題について、国が誠実な対応をすることを求める意見書

 私たちは、一人一人が大切にされる平穏な社会を願っています。かつての戦争において、日本は近隣諸国の人々に多大な被害を与えてきました。戦後64年が経過しても未解決の問題があります。戦時中に「慰安婦」とされた女性たちは、いまだに心身の深い傷を抱えておられたり、無念のうちに次々と亡くなっていかれます。
 日本政府は、1993年「河野官房長官談話」を発表し、おわびと反省の気持ちをあらわしました。そして第一次、第二次調査を経て「我々は、このような歴史の真実を回避することなく、むしろ教訓として直視し、歴史研究、歴史教育を通じ、長く記憶にとどめ、同じ過ちを繰り返さないという固い決意を表明する。そして今後とも、民間の研究を含め、真剣に検討すべきものと考える」旨の表明がなされています。
 この問題で「国連人権機関」からは、日本政府に反省を求める勧告が数多く出されています。また、2007年より、アメリカ下院議会はじめ、6つの国や市、EU連合から、日本政府が「慰安婦」問題の責任を認め、公的な謝罪をすることを求める決議が採択されています。そして、日本の地方議会での「国へ誠実な対応を求める意見書」は、現在まで20市議会で可決されています。
 今、被害者の訃報が相次ぐ中、納得できる解決を急がなければなりません。日本政府の世界への意思表示は、アジアの人々の戦争被害の傷を癒し、和解し、平和的に共存していく道筋をつくることにもなります。よって『非核・平和都市宣言』をしている西東京市議会は、下記事項について「国が誠実に対応されるよう」強く求めます。

1 河野談話に矛盾しないよう、「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め、誠実な対応を図ること。
2 「慰安婦」問題の歴史を踏まえ、次の世代に事実を伝えるよう努めること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成22年6月21日
西東京市議会議長 浅野高司

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