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アメリカ:最高裁がウォルマート性差別事件の集団訴訟認めず

2011/06/22

史上最大の集団訴訟となる可能性があり、注目されていたウォルマートにおける性差別裁判について、米最高裁は6月20日、集団訴訟の道を閉ざす判断を下しました。

この訴訟は、2001年に6人の女性従業員が起こしたもので、賃金や、昇進の回数・スピードについて、男女差別的な慣行が行われていると訴えていました。史上最大規模となる100万人以上の女性従業員が対象となるため、産業界と労働界全体が強い関心を示していました。2010年8月に、サンフランシスコの控訴裁判所で集団代表訴訟を認める決定が下され、最高裁の判断が注目されていました。

今回、最高裁は、最初に提起された訴訟を集団代表訴訟として扱うことの妥当性についてのみ審理を行い、実際にウォルマートが女性差別的なポリシーをとっていたかどうかの判断は行いませんでした。9人の判事のうち、保守派とリベラル派によって判断が分かれ、5対4で、集団訴訟となる条件が満たされていないとの判決になりました。
産業界は判決を歓迎、労働組合や消費者団体は強く批判しています。

【報道】
CNN:米最高裁、ウォルマートに対する集団代表訴訟を認めずThe New York Times: Justices Rule for Wal-Mart in Class-Action Bias Case 【関連記事】
アメリカ:ウォルマート女性差別集団訴訟が最高裁へ(2010-09-02)

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