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日本軍「慰安婦」写真展が圧力うけ中止に

2012/05/25

6月29日から7月9日まで東京・新宿のニコンサロンで開催されるはずだった写真家・安世鴻(アン・セホン)さんの『重重――中国に残された日本軍「慰安婦」女性』写真展が、圧力をうけて中止に追い込まれたことが明らかになりました。

安さんによれば、5月22日、ニコンより突然「理由は言えないが中止になった」と通告されたとのことです。新宿展の後、9月に行われることになっていた大阪での写真展についても、一方的に中止が通告されました。

ニコンは、「中止理由は諸般の事情を総合的に判断して決めたとしかいえない」と説明していますが、「慰安婦」問題の責任を否定する立場の人々が圧力をかけるようインターネット上で呼びかけをしており、ニコンは実際に複数の抗議があったことを認めています。

写真展を計画していた安さんおよび重重プロジェクトは、「理由を説明できない写真展中止決定事項は受けいれられない。ニコンの対応は、表現の自由を犯し、ひとりの写真家の名誉を傷つけるもの。写真展開催の再開を求めます」と述べています。

数多くの女性の人権を踏みにじった歴史的責任を否定する立場からの圧力によって、表現の自由が封殺される事態が生じた責任は、ニコンだけのものではありません。責任に真摯に向き合うどころか、「慰安婦」記念碑の撤去を要求するなど、後ろ向きな態度をとり続けている日本政府の責任は重大です。

【報道】
共同(5/24)元慰安婦の写真展、批判投稿相次ぎ中止中央日報(5/25)東京で慰安婦写真展が突然中止…運営会社「理由明かせない」
重重プロジェクト

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