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【書籍紹介】宗教原理主義とたたかう女性たち

2012/11/28
「宗教原理主義」というと、日本には関係ない、外国の問題だと思っていませんか?
他の価値観には非寛容で、文化や伝統を口実に、女性の権利や人権を抑圧しようとする宗教原理主義の問題は、決して日本に無縁ではありません。さまざまな宗教原理主義に対して、世界の女性たちはどのような分析を行い、どのように闘っているのでしょうか。グローバルなフェミニスト運動団体のAWIDが発行しているブックレットから3冊をご紹介。
Towards A Future Without Fundamentalisms
Analyzing Religious Fundamentalist Strategies and Feminist Responses
Cassandra Balchin(著)
2007年にAWIDが世界各地の活動家を対象に行った調査では、76%がこの10年間に宗教原理主義の力は強まっていると答えた。フェミニストたちの分析からは、社会問題を「モラルの低下」のせいにしたり、家族の中のジェンダー役割を強調する、若い世代へのはたらきかけなど、宗教原理主義に共通する特徴がうかびあがってくる。非宗教的な日本の保守派にも同じ特徴が認められることに、注意が必用だ。国境を越えた資源の動員、型にはまった家族観やジェンダー役割の押し付け、暴力の利用、公的領域への浸透など、彼らが用いる戦略を注意深く分析することによって、対抗戦略を描き抵抗運動を強めていくための集合的努力をよびかける。(英語、107ページ)
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Not As Simple As ABC: Christian Fundamentalisms And HIV And AIDS Responses In Africa
タイトルの「ABC」は、アメリカ国内のキリスト教原理主義団体の影響の下、ブッシュ政権が「禁欲」を基本として推進したHIV/AIDS対策のスローガン。セクシュアリティに関わるタブーに触れるHIV/AIDS対策は、キリスト教原理主義による活発な介入の対象となったが、数多くのHIV感染者を抱えるアフリカの被援助国は、そのために大きな影響をうけることになった。アフリカ諸国におけるキリスト教原理主義者の活動や戦略、それがもたらした影響などを論じている。(英語、40ページ)
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Feminists On The Frontline: Case Studies Of Resisting And Challenging Fundamentalisms
リトアニア、ブラジル、ペルー、北米、アフリカ、インドネシアなど、世界各地のさまざまな宗教原理主義に対して闘っているフェミニスト活動家たちの経験をまとめた18のケーススタディ。それぞれの文脈における宗教原理主義の影響、それに抵抗する女性たちの経験から、強い対抗運動を組織するための戦略を論じる。(英語、84ページ)
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