アドボカシー・キャンペーン

スービックレイプ裁判に関する申し入れ

2006/09/20

フィリピン・スービックで起きた米軍海兵隊員によるレイプ事件被害者を支援するために、アジア女性資料センターも参加して結成された「フィリピンのレイプ裁判を支援する連絡会」は、昨日、フィリピン大使館に以下の申し入れを行いました。

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フィリピン共和国政府 大統領 マカパガル・アロヨ 殿
フィリピンマカティ地裁第139支部裁判長 ベンジャミン ポゾン 殿 
フィリピン最高裁判所長官 アルテミオ V パンガニバン 殿
在日フィリピン大使館 ドミンゴ・L・シアゾン 殿

2006年9月19日

フィリピンのレイプ裁判を支援する連絡会(英文アルファベット順)
1)アジア女性資料センター  
2)ふぇみん婦人民主クラブ
3)NO!レイプNO!ベース女たちの会 
4)フィリピン・ピースサイクル
5)基地・軍隊を許さない 行動する女たちの会(沖縄)
6)三多摩・フィリピン資料センター  
7)三多摩・カサナグの会
8)うちなんちゅの怒りと共に!三多摩市民の会
9)VAWW-NETジャパン  
10))女たちの戦争と平和資料館
11)基地はいらない!女たちの全国ネット 
12)横浜アクションリサーチセンター
連絡先/アジア女性資料センター

海兵隊員(沖縄駐留)たちによるスービック・レイプ事件
女性に対するテロ-レイプ犯罪を糾弾し、被害者の正義の実現を要求する声明

 わたしたちは、元フィリピン・スービック基地レイプ事件(2005年11月1日発生)について、フィリピンの被害女性にたいする正義の実現を求める。これまでフィリピンで繰り返されてきた同様の女性に対する暴力は、まったく処罰されていない。被害の記録さえ残されていない。わたしたちは私たち自身の問題として、この11月の事件の被害者「ニコル」さんが立ち上がった勇気を尊敬し、彼女の闘いを最後まで支持する。そして女性に対する謝罪と補償の実現とともに、このような性暴力事件が今後、決して繰り返されないことを強く要求する。
 
この事件は、半世紀以上も米軍が駐留する日本の女性たちに対する加害とまったく同質のものである。したがってわたしたちはフィリピン・日本・米国政府間の軍事体制強化を計画し再び被害を引き起こす「在日米軍再編に関する日米合意」には強く反対する。
 私たちは、主権者たるフィリピン民衆の所属する当局への犯人の引渡しを要求する。VFAによる、「1年間の米軍による米兵犯罪者の身柄確保」はフィリピン民衆の主権を侵害し、不当に米兵を優遇するものである。

 なぜ私たちは日本からフィリピンの被害者を支援するのか?
その理由は、沖縄・日本に駐留する米軍が、巨大なその基地から、世界中の戦場へ出撃し、無制約の作戦行動を行い、フィリピンで許しがたい被害を発生させているのを、今後全面的にストップさせたいからであり、軍事基地周辺の女性に対する更なる暴力を防ぎ、不処罰の連鎖を断ち切りたいためである。
 1995 年、沖縄で小学生をレイプした元海兵隊員受刑者が、米ジョージア州で女子学生をレイプ・絞殺し、自殺するという事件が8月22日世界に報道された。在日米軍の75%が存在する沖縄では2004年8月13日、住宅密集地域で飛行訓練するヘリコプターが沖縄国際大学に墜落・炎上した。イラクでは多数の女性たちが日常的に米軍兵士の性暴力の被害を受けている。米国軍隊が「よき隣人」「市民に民主主義と安全をもたらす」存在などでないことは明らかである。
 VFA(米比軍事訪問協定)と日米安全保障条約に基づく「日米地位協定」は、国内法、国際法を無視して、米国軍隊が世界中に戦争と女性への暴力を広げる万能の許可証となっている。

 わたしたちは、現在計画されている、沖縄県・辺野古とミンダナオ島・サランガニ州への巨大な新基地建設の計画をただちに中止することを求める。これらは、軍隊を否定する日本国憲法と、外国軍隊の駐留を禁止するフィリピン国憲法に違反している。わたしたちは戦争拡大のための、両国における憲法改正計画に厳重に反対する。それは「国益」に名を借りた、巨大多国籍企業に利益をもたらす戦争のためものでしかない。

 フィリピンにも多数被害者が生存する第二次大戦時の性奴隷制度と同様、この犯罪は処罰されなければ何回でも繰り返される。私たちは女性の人権と、子供・老人そしてすべての市民の生命と安全を守るため、「ニコル」さんの正義の実現をもとめて最後まで闘う。

要求 
 1.わたしたちは、フィリピン共和国憲法に違反するVFA協定に基づく今回の事件の処遇に強く抗議する。フィリピン政府当局は在比米大使館での米兵の身柄保護を直ちに中止させ、4人の犯罪者のフィリピン政府当局への引き渡しを求めよ
 2. スービックレイプ犯に厳正な処罰を求める
 3. フィリピン政府当局は、基地関係機関周辺で多発し続けている女性に対する暴力を根絶する責任を認識し、実態調査、防止措置、被害者への補償などの措置を速やかに講ずること

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