アドボカシー・キャンペーン

石原都知事の謝罪と辞任を求める声明

2000/04/17

 アジア女性資料センターは、日本とアジアの女性の人権擁護を目的として活動する市民団体です。私たちは、石原東京都知事による4月9日の自衛隊記念行事におけるスピーチならびにその後の記者会見等における発言に強い衝撃と怒りを覚えています。根拠のない偏見に基づき外国人への差別と暴力を煽る人物が東京都知事の座をこれ以上占める事は許されません。ここに即刻の謝罪と辞任を要求し
ます。

 現在、東京には外国籍を持つ多くの男女がいますが、そのほとんどは他人に危害を加える事なく生活の場を東京においていると言う意味で、日本籍を持つ人々と変わる事のない市民です。日本人ではなく外国人が犯罪の温床を作っているという石原氏の非難には、まったく正当な根拠を見出す事はできません。彼らはむしろ、国籍や滞在のステイタスを理由に社会参加や社会サービスから締め出され、時には不当な条件で労働させられたり、深刻な人権侵害にさらされています。

 本来、こうした人権侵害状況を改善し、外国人にも安全と自由を提供するのが国際都市東京都知事の役目であるはずです。ところが、石原氏は差別的な「三国人」という名称を用いて外国人に対する不信と偏見を煽り、さらに自衛隊を「軍隊」と呼んで「治安維持」を要請しました。これは、かつての関東大震災時のように、外国人に対する偏見に基づく暴力を扇動し、正当化するものと受け取らざるを得ません。

 知事の発言が、外国人への根拠のない差別と人権・民主主義の軽視に基づくものである事は覆いようがありません。即刻謝罪し、都知事職を辞任されるよう要求します。

2000年4月17日
アジア女性資料センター

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