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声明:2022国際女性デーに寄せて/ International Women’s Day 2022

2022/03/08

2022国際女性デーに寄せて

国際女性デーの今日、アジア女性資料センターは、世界中の姉妹たちとともに、ますます激しさを増している暴力、軍事化、抑圧に対して抗議の声を挙げます。

東欧で起きている戦争は、この世界全体そして日本が、力の論理の蔓延によって直面している危険を明るみに出しました。政治家や評論家の中には、ウクライナの危機を利用して、日本の軍事化、さらには核武装さえ主張する者たちがいます。もちろん、日本の核武装など現実的にも問題外です。にもかかわらず、こうした発言は、それ自体が平和的解決という基本原則を破壊し、暴力を正当化する効果を持っています。国際社会のルールや話し合いによる紛争解決などきれいごとにすぎない、最後は力がものを言うのだと、侵略者と同じ理屈を大っぴらに語って恥じることのない政治家たちは、社会的制裁を心配するどころか拍手喝采を受ける可能性があると知っているのです。こうした状況が生じていること自体、日本の「平和」がいかにあやういものであるかを示しています。

女性たちやフェミニストはつねに平和の側に立ってきたわけではありません。しかしフェミニストたちが作り出してきた最良のレンズは、異なる視点から戦争と平和について考え行動することを可能にしてくれます。それは、戦争という巨大な暴力は、ジェンダーを含む日常的な関係性なしには生まれてこないということです。

権力者が戦争による紛争解決を正常なものとして人々に受け入れさせ、巨大な国家暴力に向けて動員するには、多くの操作が必要です。その中には、ある種の人びとは「わたしたち」とは違う異常な存在であり同じ人間として扱わなくてもいいと信じさせること、ひとりひとりの尊厳よりも社会の効率性や生産性の方が優先されるべきだと思わせること、権力に逆らっても無駄だ、おとなしく従っていれば安全だと信じ込ませることなどが含まれます。

逆に言えば、フェミニスト平和の視点は、わたしたちが日々の小さな活動を通して戦争と軍事化に抵抗することがいかに可能であり必要であるかを教えてくれます。苦しむ人たちの声に耳をかたむけること、人種や国籍、セクシュアリティによる差別と分断に反対して連帯すること、歴史の書き換えと国家の嘘を暴くこと。強い力で人々を率いる政治的リーダーシップのイメージを変えること。これらささいに見える活動のすべてが、権力の濫用と暴力の正当化を足元から防ぐための基礎となりえます。

それぞれが行っている小さな努力を尊重しつなぎ合わせることで、暴力を正当化する力に対してともに立ち向かい、ひとりひとりの尊厳にもとづく平和を作り出していきましょう。

2022年3月8日

アジア女性資料センター

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