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【報告】臨時国会にわたしたちの声を! 国葬させない💢3日間全国抗議アクションをおこないました

2022/08/12

 

 

 

 

 

 

 

2022年8月3、4、5日の3日間、アジア女性資料センターはふぇみん他女性団体との協力のもと「わたしたちの声を! 国葬させない💢3日間全国抗議アクション」(主催:国葬させない女たちの会)を行いました。

宗教と政治の関係をめぐる疑惑が拡大するなか、安倍元首相の「国葬」閣議決定は、これまで多く問題視されてきた元首相への批判を封殺するだけでなく、その存在の神格化すら懸念されています。わたしたちは、強行的で民主主義を無視した「国葬」へ反対するため、臨時国会の開催に合わせて3日間連続抗議アクションをよびかけました。

暑さと天候不良のなか各日100人ほどの人が集まり、参加人数は延べ300人以上、また賛同団体は97団体に上りました。またtwitterなどSNSでも「#国葬させない」のハッシュタグとともに、反対を求める数々のメッセージやアピールが寄せられました。集まった抗議の声のひとつとして、小林怜佳さん(大学生)によるマイクアピールを下記に転載します。

 

小林怜佳さん(大学生)によるマイクアピール

みなさん、こんにちは。私は現在大学4年生で、旧ソ連地域の女性たちに関心を持って勉強しています。先月まで、旧ソ連構成国の1つである、中央アジアのカザフスタンに交換留学していました。

今日は、留学生活を通して考えたことや、今の日本社会に対して感じていることをお話ししたいと思います。

初めてカザフスタンに行った時にまず印象的だったことは、大学や学生寮の中を歩くと、至る所で初代大統領であるヌルスルタン・ナザルバエフの肖像画や写真が目に入ったことです。彼はカザフスタン独立後30年近くにわたり大統領を務めた人物です。

カザフスタンをはじめ、中央アジアの国々ではソ連崩壊と独立の前後に混乱があり、独立後の不安定な状況に対処するために強権的な体制が敷かれた場合がほとんどでした。カザフスタンもこれに当てはまり、強い権限を持つ大統領のもとで、独立後の30年間は社会が比較的安定しているように見えました。

ところが、今年1月に燃料価格高騰に抗議する反政府デモが複数の都市に広がりました。混乱の中で政府はインターネットを遮断し、声を上げる市民のことをテロリストと呼び続けました。 カザフスタンでは、社会運動をすることが欧米などに比べて難しく、フェミニスト・アクティヴィストの中にも何度も逮捕されたという人もいます。

しかし、このような状況の中でも市民は声を上げることをやめず、今年の3月8日には国際女性デーの集会が無事に開催されました。当初行われる予定だったマーチは、当局が「道路工事」を理由に許可しませんでしたが、集会には約500人が集まり、活気に溢れていました。 このように、カザフスタンでは時に困難な状況にあっても、市民が声を上げ続けています。かれらの間には、腐敗した政治を変革してより良い社会を作ろうという雰囲気があり、私も留学中にその姿を見て勇気づけられました。

ところが、先月帰国してから目の当たりにしたのは、まるで地獄のような日本の状況です。もちろん市民は声を上げ続けていますが、それを馬鹿にするような社会の雰囲気や、反論に耳を傾けようとしない政治家が幅を利かせていることが本当に悲しいです。物価高騰と低賃金で困窮者が増えても、政治は自己責任と切り捨てることしかしません。それどころか、ロシア軍のウクライナ侵攻に便乗して防衛費を大幅に増やそうとしています。

このように自己責任論を蔓延させ、大事な大事な憲法を無視して軍事化を進めた大きな責任は、安倍晋三氏にあります。また、彼は政治を私物化したにもかかわらず、彼自身がその罪を償うことはありませんでした。さらに、彼はあらゆるマイノリティーの尊厳を踏みにじってきた人物でもあります。このように、本当にたくさんの人を傷つけてきた人物のために国葬をするなど、私は絶対に納得ができません。

そもそも、国葬をする法的根拠も不十分ですし、国全体に弔いを強制することは、全体主義と何ら変わらないのではないでしょうか。また、安倍氏の国葬には反対意見が多いにもかかわらず、国費が使われることも許せません。市民はまじめに税金を払っているのに、こんなに酷い使い方をされるなら、私は税金なんて払いたくありません。岸田首相をはじめ、国葬を推し進めようとしている政治家の皆さんは、国葬を強行して日本をさらに腐敗させるのではなく、反対の声に耳を傾け、もっと良識的な判断をしていただきたいと思います。

今日は雨にもかかわらず、皆さんと一緒に国葬反対の声を上げることができて嬉しく思います。政府与党はなかなか声に耳を傾けようとせず、困難もありますが、諦めずに国葬反対の声を上げ続けましょう!

 

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