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名古屋市長が南京事件を否定する発言

2012/02/21

日中戦争中に旧日本軍が一般市民や捕虜を虐殺、女性をレイプし、東京裁判において主要な戦争犯罪のひとつとして審理された南京事件について、河村たかし名古屋市長が2月20日、同市役所を表敬訪問した中国共産党南京市委員会の劉志偉常務委員らとの会談で、「なかったのではないか」と発言したことが明らかになりました。

河村氏は、終戦時に父親が南京市にいたことを根拠に「事件から8年しかたってないのに、南京の人は日本の軍隊に優しくしていたのはなぜか」と述べながら、「南京で歴史に関する討論会をしてもいい。私は南京の人に感謝している。互いに言うべきことを言って仲良くしていきたい」などと述べました。

この発言に対し、南京市の「南京大虐殺記念館」の朱成山館長は、「日本軍による虐殺があったという事実は戦後の東京裁判や南京軍事法廷の判決を根拠にしている」と強調し、「歴史を見ずに友好をアピールすることはできない」と発言を強く批判しました。

しかし河村市長は20日の定例記者会見で、「30万人の一般市民を虐殺したと語り継がれている。正すのが私の社会的、政治的使命だ」とさえ述べました。政治家による戦争・植民地責任否定発言はこれまでもたびたび繰り返されており、日本政府としての姿勢も問われています。

【報道】
●「南京事件なかったと河村市長 訪問の中国・市常務委員に」東京新聞(2/20) ●「河村市長『南京事件なかった』、中国側で反発の声」日本経済新聞(2/20) ●「河村氏、南京大虐殺『認識正す』 中国側批判に『議論良いこと』」東京新聞(2/20)

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