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東ティモール「慰安婦」問題の早期解決を求める要請書に賛同しました

2012/02/28

2月24日に提出された下記要請書に団体賛同しました。

玄葉光一郎外務大臣殿

東ティモール独立10周年を祝う為に
~日本軍占領期における「慰安婦」問題の早期解決を求める要請書~

 今年の5月20日に東ティモール民主共和国は独立(主権回復)10周年を迎えます。それはまた、日本と東ティモールの間に外交関係が樹立されてから10年が経過したことを意味します。両国外務省は、2012年を「日本・東ティモール友情と平和の年」(日本東ティモール外交関係樹立記念平和年)とし、周年事業を実施することを決定しました。
 しかし私たちはこの「日本・東ティモール友情と平和の年」を祝うことはできません。なぜなら、両国の外交関係樹立の陰で、両国は、「未来志向」という言葉の下に、大戦中にポルトガル領ティモールを占領した日本軍が犯した「人道に対する罪」の責任追及と被害者救済という懸案を葬り去ったからです。とりわけ、日本軍による性奴隷制度の被害者として名乗り出た女性たちにとって、この間の公的措置の不在と月日の流れは、無念以外の何ものでもありませんでした。日本政府から謝罪の一言も聞けぬまま、名乗り出た17名の内すでに7名がこの世を去りました。
 本日、2012年2月20日、日本軍のティモール島侵攻から70年目の日を迎えました。日本政府は、戦後、ポルトガル領ティモールに関する戦争責任に関して何の措置も講じていません。つまり日本の戦後賠償スキームにおいて東ティモールは未解決事案として残されたままです。この10年、私たちは東ティモールの女性団体、人権団体、法曹関係者とともに被害者及び目撃者から聞き取り調査を行い、日本、ポルトガル、オーストラリアの公文書館で文献資料にあたりました。それらの知見を、報告書、展示パネル、ラジオ番組にまとめ、両国で多くの人たちに実情を知らせるとともに、被害者の願いを両国政府に伝えてきました。被害者が示した勇気は、東ティモールという新しい国に法の支配と民主主義と男女平等を築いて行く灯であります。
 この10周年を心から祝い、日本と東ティモールの間に真の友情と平和を築くため、私たちは以下を要請をします。

1. 本年中に本件に関する協議を日本政府から東ティモール政府に申し出る。
2. 本年中に、日本政府は、事実認定、被害者への謝罪、被害者救済の方策に関する被害者及び被害者支援団体と協議を行う。

2012年2月20日

東ティモール全国協議会
賛同29団体・338個人

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