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ストーカー法改正もとめ遺族らが要望書

2012/04/11

昨年末に長崎県西海市でストーカー被害に遭っていた女性の母親と祖母が殺害された事件を受けて、過去のストーカー殺人事件の遺族らが4月8日、ストーカー規制法の改正などを求める要望書を、警察庁と国家公安委員会に送付しました。
 1999年に埼玉県桶川市で、何度も警察にストーカー被害を相談していながら娘を殺害された猪野憲一さんは、8日に行われた記者会見で、「長崎の事件における警察の対応を聞いて、娘の事件のときと同じだと思った。娘の事件後、2000年にストーカー規制法ができたにもかかわらず、なぜ同じことが繰り返されるのか。ストーカー被害をなくすように法律を変えましょう」と訴えました。
 要望書では、▽過去のストーカー殺人事件の問題点について、第三者機関による検証を行うこと▽被害者や家族の意見を反映して法改正を行うこと▽法令を厳しく適用し、被害者や周囲の人々の安全対策を講じること▽警察が機動的に対処できる内部体制を確立し、現場と社会に教育指導をすること、等を求めています。
 ストーカー被害にくわしい長谷川京子弁護士は、「親密な関係における暴力被害は過少評価される傾向がつよい。長崎の事件は、典型的なDV型ストーキングだが、未婚DV被害者への法的保護は不十分だ」と指摘し、DV防止法を未婚の交際相手にも拡大すること、ストーカー行為規制法の禁止命令を、DV防止法における保護命令と同様、被害者の申し立ておよび裁判所命令にもとづいて発令するよう改正が必要であると指摘しました。

【報道】
読売新聞(4/9)「ストーカー規制『機能不全』桶川遺族が改正要望」

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