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屋嘉比ふみ子さんに多田瑶子反権力人権賞

2007/11/20

2007年度「多田瑶子反権力人権賞」が、センター会員の屋嘉比ふみ子さんに贈られます。

 屋嘉比ふみ子さんは1981年に(株)京ガスに入社。直後から会社と企業内組合の双方での女性差別に直面して、差別との闘いを続けてきました。84年には女性と嘱託社員のみをねらい打ちにした指名解雇を自力で撤回。解雇撤回後、いやがらせ的に行われた強制配転によって配属された新しい部署でも、男女の差別賃金是正のために、会社および男性優位の企業内組合との闘いを続けてきました。 

98年、国際基準(日本が1967年に批准したILO100号条約)である同一価値労働同一賃金原則(ペイ・エクイティ)に違反するとして、京ガスでの男女賃金格差の是正を求めて京都地裁に提訴。

日本で初めて、「知識・技能、責任、精神的な負担と疲労度を検討して職務の価値に差はない。本件の賃金格差は女性差別であり、労基法4条違反」という判決を引き出し、2005年大阪高裁で勝利的な和解を勝ちとりました。

この間、経営状態が悪化していた京ガスは、06年8月、突然事業閉鎖を労組に通告しましたが、屋嘉比さんはそれまで敵対していた企業内の職員組合や工員の労働組合と連帯して、倒産全員解雇の攻撃に対して職場を占拠して闘いました。
半年間の倒産争議は2007年2月に終結。解決金として33名の組合員の1年分の年収保障および、京都地裁が認定した同一価値労働同一賃金原則に則った、屋嘉比さんにかかる男女賃金差別是正を獲得して勝利的な解決を勝ちとりました。

男性優位社会の中で、様々な攻撃と妨害にもめげず、長年にわたってがんばりぬいた屋嘉比さんの闘いはとても厳しいものでした。屋嘉比さんが追求してきたペイ・エクイティは、職務評価によって労働の価値を客観的に比較して差別賃金を是正する運動として、男女差別のみならず、非正規雇用労働者の均等待遇獲得への新しい地平を切り開くものです。個別の企業との闘いに始まった屋嘉比さんの
困難な闘いは、全国の労働者から注目されてきましたが、非正規雇用が拡大する今日、改めて多くの女性たちの差別との闘いに合流しつつあります。

屋嘉比さんの闘いに大きな拍手を!!

なお、今年度の他の多田瑶子反権力人権賞の贈呈対象者は、
・坂本美代子さん、小笹恵さん(水俣病関西訴訟元原告)
・志布志・住民の人権を考える会(違法捜査との闘い)です。
贈呈式は12月15日 午後2時から5時に、総評会館(千代田区神田駿河台3-2-11) 2階201号室で行われます。
どなたでも参加できるそうです。多数の方々が喜びをともにしてくださいますように。

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