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パレスチナ市民に対する攻撃の即時停止と、対話による紛争解決と占領終結を求める声明

2023/10/21

わたしたちは、殺害、性暴力、誘拐を含む市民を標的としたハマースの襲撃を非難し、人質の即時解放を求めます。深刻な人道犯罪を行った加害者の責任は国際法に基づいて追及されなければなりません。

しかし今回の事件を、それ以前から長年にわたってイスラエルが続けてきた占領と封鎖、パレスチナ市民に対する種々の人権侵害という文脈から切り離して扱うことはできません。ましてや襲撃の責任をパレスチナの人びと全体に負わせるようなイスラエルの無差別報復攻撃をわたしたちは強く非難し、さらなる犠牲の拡大を招く侵攻準備を即時に中止するよう求めます。ガザ全体が逃げ場のない監獄とされている中で、市民への避難勧告や緊急援助といった「人道的配慮」を強調することが、国際法違反の集団懲罰をより文明的に見せかける言い訳にされてはなりません。緊急人道支援はもちろん必要ですが、まずガザへの地上侵攻防止と即時停戦のために努力が注がれるべきです。

わたしたちはまた、長年にわたる占領と封鎖という歴史的文脈を無視して、人種的宗教的ステレオタイプを強化するような報道や言説に強い懸念を表明し、そうした偏見にもとづく差別やハラスメントが決して許されないことを強調します。紛争下におけるジェンダーやセクシュアリティにもとづく暴力に対するフェミニストの関心は、別の形式の暴力を不可視化したり正当化するようなやりかたで用いられるべきではありません。長期にわたる占領と紛争は、パレスチナとイスラエル双方の社会において、性差別的でマイノリティに抑圧的な宗教原理主義とナショナリズムを進展させてきました。そのような困難な状況の中でも対話的で非暴力的な解決を探ってきた勇気ある人々の声こそ、人権と正義に基づく長期的な紛争解決のために聞かれる必要があります。

わたしたちは日本政府また米国をはじめとする国際社会に対し、パレスチナの人びとに対するイスラエルの集団懲罰を明確な言葉で非難すること、虐殺をより人道的に行うためではなく暴力のさらなる拡大を防ぐためにあらゆる外交努力を行うこと、そして長期的には占領を終わらせるために、交渉による平和の実現を促進し支援することを求めます。

2023年10月21日

アジア女性資料センター

 

10月22日(日)サイレント・スタンディングを行います。

10月22日(日)18:00~ 新宿東口アルタ前広場

沈黙と黒衣で犠牲者への追悼とガザにおける暴力への抗議を示します。趣旨に賛同される方はどなたでもご参加ください。

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